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Nucleus / TIDFALL
Usher-to-the-ETHER ★★ (2011-05-02 23:42:44)
2003年発表の3rd。

スペイシーなキーボードが宇宙的な空間を演出し、そこに電子的なサンプリングやループを取り入れ無機的な怖さを演出する、シンフォニックとインダストリアルを上手く融和させたようなブラックメタル。インダストリアル系にしては珍しく、ドラムも生だし、意外にもリフにはスラッシュやメロデスにも通じるテクニカルさがあるのも特徴。
また、ヴォーカルは普通のブラックメタルの絶叫よりも、かなりドスの効いた威圧感のある声で、「Future Doom」みたいな上から目線の極みみたいな世界観にはかなり合ってますね。

ただ…キーボードがアトモスフェリックに曲を彩っていたり、リフがテクニカルで耳を惹いたり、暴虐性を剥き出しファストに攻めたりしている時はいいんですが、時々ヘヴィネスを重視したようなパートがあって、そこが微妙にダレるのが気になりますね…ドラムの音がインダストリアルを意識してか、固めの音なんですが、そういうパートでは悪い方に作用して聴き辛くなってる感も。

と言っても、SamothのNocturnal Artや大手のNuclear Blastを渡り歩いてきただけあって、基本的な質のほうは問題なく高いと思います。音質も演奏もメジャークラスなのに、どこかアンダーグラウンドの雰囲気を残した、ブラックメタルらしい世界観を持ったアルバムです。このメジャーになりすぎない感じがツボな方も多いはず。

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