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Lux Mundi / SAMAEL
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-05-03 17:36:09)
2011年発表の10th。
タイトルの意味はラテン語で「世界の光」。

「Reign of Light」「Solar Soul」ではダンサブルなメタルというか、メタリックなダンス音楽になり、「Above」ではブラックメタルを回復したSAMAELでしたが…今回はその中間くらいの路線ですね。ダンス路線の、何千もの悪魔がマスゲームしてるような、邪悪ポジティブなエナジーを、ミディアムテンポで重厚なブラックに注ぎ込んだ感じで、雰囲気としては「Passage」「Eternal」に近いかも。

前作は少し音がごちゃごちゃしていた印象なんですが、今回はヴォーカルラインのキャッチーさも際立つ、かなりクリアな音。この作品の音って、多くのパートでバンドサウンドがグルーヴ、キーボードがメロディ/ムード作りを担うようなアンサンブルが多いんですが、この二つが完全に調和しているのが素晴らしい。妖しいキーボードが、バンドサウンドから放出されるどす黒いエナジーの流出に思えますもん。

ただ、トレモロリフを多用していた前作と比較すると、今作はリフはヘヴィネスを演出するような刻みが多め。キーボードとの調和は確かに素晴らしいんですが、個人的には少し物足りない。ヴォーカルラインとリズムのキャッチネスで躍らせる、前々作の路線なら問題ないんですが、ブラックを回復しリフ重視の作風となった今作においては、多少物足りなさがあるかも。

そういう訳で、個人的には未だにダンサブル路線の「Solar Soul」が最高傑作だったりするんですが、今作も悪くないです。多少不満はあったものの、他に代替が効かない音を出していると思うし、星は3つ。

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