この曲を聴け! 

Rock Art / MAGNUM
火薬バカ一代 ★★ (2011-05-23 22:49:41)
'94年発表の10thアルバム。
同時代性を意識してか、全体的にハードさが増量されているが、かつてのようなブリティッシュ然としたドラマ性や幻想性は引き続き減少傾向にあり、またリズム面が強調された分メロディのフックが割を食った印象で、MAGNUMのカタログの中において本作の存在は正直かなり地味。
従来の「らしさ」が希釈され、ますます普通のHRバンド化が進んだハード系の楽曲は少々退屈だが、一方で、凛とした気品と懐の深い包容力を備えた③⑤⑦⑧⑪等のミドル~バラード系の楽曲は相変わらず絶品。この手の楽曲ではト二ー・クラーキンのメロディ・センス(それにGプレイ)と、そしてMAGNUMの看板シンガーたるボブ・カトレイの歌声が映えまくる。特に、以前にはなかったタイプのブルージー&ソウルフルな⑧や、逆に本編収録曲中、最もかつてのMAGNUM風味を色濃く残したラスト・ナンバー⑪は、ボブ・カトレイという稀代の名シンガーが、このバンド最大の武器であることを改めて確認させてくれる逸曲に仕上がっている。
尚、MAGNUMは本作を最後に一旦解散した後、HARD RAINでの活動を経て、'02年に再結成。以降、現在に至るまで順調に活動を継続している。

→同意