この曲を聴け! 

Transcendence Into the Peripheral / DISEMBOWELMENT
Usher-to-the-ETHER ★★ (2011-06-23 21:12:55)
93年発表の1st。

これは凄いですよね。
93年といえば、まだTHERGOTHONの1stすらリリースされてない時期なのに、現在フューネラルドゥームのバンドが演ってるスタイルをこの時点でほとんど完成させちゃってます。引き摺るようなスローテンポに、耳を聾するRAWなノイズリフが纏わり付いて出来た真っ黒い情景の中で、洞窟に木霊する獣の方向が如きヴォーカルが響く音は、ほぼNORTTが演ってるようなスタイルに近いと思う。

ただ、このバンドはデスメタル的な要素もまだ強いのが特徴で、デスメタル特有のドロドロしたリフをブラストに乗せて爆走したりもしてますが、そういう時でさえメロディはあくまで葬式的な陰鬱さを保っているのが素晴らしい。音質のRAWさも相俟って疾走パートもかなりかっこいい。また、4曲目では女性ヴォーカルを導入し、更に聴き手を非日常の世界へ埋没させる試みも見られますが、これも後のゴシックドゥームに繋がるような雰囲気があって興味深く聴けました。

THERGOTHONと比べると何故か語られる機会が少ない(疾走するから?)ですが、フューネラルドゥームのルーツのバンドとしてチェックする価値ありな作品です。リリース時期は昔ですが、現代のバンドと比べても劣らない陰鬱さのあるアルバム。

→同意