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NATIVE / SILVER BACK
火薬バカ一代 ★★★ (2011-07-28 22:29:42)
プロデューサーの座にSABER TIGERの木下昭仁(G)を迎えたことで音質の大幅向上が図られ、ICED EARTH辺りと共通点の見出せる「気持ちスラッシュ寄りのパワー・メタル」サウンドが更なる迫力を獲得した、'96年発表の2ndアルバム。
ICED EARTH程の大仰さはない代わりに、如何にも北海道出身バンドらしい(先入観?)モノクロームな冷気を孕んでいる点が本作の特徴で、男の哀愁を伝えるソリッドなVo、冷やかでメランコリックなメロディを紡ぐG、そして活発に動き回り勇壮なアクセントを加えるBとが、図太いリズムに乗ってパワフルに押し出してくる楽曲の数々は、IRON MAIDENばりの勇ましさで畳み掛ける②を筆頭に、激しく盛り上がっても何処か荒涼としていて寒々しい。
取り分け、パワー・バラード調の劇的さを有する③、本編前半の山場となるドラマティックな大作曲④、静と動の対比が効いたスラッシーな疾走曲⑥、そしてラストを締め括る3部構成の組曲⑧といった楽曲で爪弾かれるアコギが醸し出す、凍えんばかりの寂寥感は絶品ですよ。
ちなみにその⑧は、“FEMT”というタイトルが物語るように漫画『ベルセルク』に着想を得て作曲されているのだが、驚いたことに原作者の三浦健太郎がコーラス隊の一員としてアルバムに参加。よもやの公認ソング仕様とはビックリだ。

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