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UNCULTIVATED LAND / SILVER BACK
火薬バカ一代 ★★ (2011-07-29 20:16:58)
現在も活動中(多分)のベテラン道産子メタル・バンドが'94年に発表した自主制作の1stアルバム。
和製ICED EARTH的というか、風雪吹きすさぶ北海道の広大な原野を、ひとりコートのエリ立てて突き進む益荒男の姿が思い浮かぶような(意味不明)、重厚でドラマティック、そして硬質な冷気を纏ったノーザン・パワー・メタルという、このバンドならでは音楽性は既に固まっている事は確認できるが、一方で貧相なサウンド・プロダクションと、メリハリに欠ける構成に足を引っ張られ、次作以降の作品に比べるとやや冗長な感もある本作。(60分近い長大な収録時間もマイナスに働いている)
尤も、伊熊誠の男の哀愁背負った野太いVoや、寂寥感を湛えたメランコリックなメロディを豊かに紡ぎ出す(特にアコギ・プレイが秀逸な)田中キヨヒサのG、単なるリズム楽器以上の存在感を主張するBなど本編に聴き所は多く、中でも③⑦といったバラード系の楽曲で発揮される荒涼としたメロディ・センスや、ラストに置かれた大作曲⑨の劇的さは、このバンドが只者でないことを如実に物語る素晴しい出来栄え。
ちなみに⑨は漫画『ベルセルク』へのトリビュート・ソングでもあるのだが、彼らは次作『NATIVE』でも同様の題材を扱い、しかも今度は原作者本人にもお出まし願うというマニアっぷりを披露しているのであった。

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