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Paragraph / SABER TIGER
火薬バカ一代 ★★★ (2011-08-08 22:22:33)
80年代にSABER TIGER名義で発表されたシングルやデモテープ等の初期音源をまとめたコンピレーション・アルバムその1。
現在でもライブの重要なレパートリーとなっている名曲の数々が収録され、後追いファンでもバンドの歴史を手軽に振り返ることが出来る非常に重宝な1枚ではあるのだが、総合的に見ると音質がイマイチなうえ、今の彼らとはサウンド・スタイルもかなり異なるため、若いファンの中には本作を聴いて戸惑いを覚える人もいるかも。(勿論、完成度は高いのだけど)
特に疾走系の楽曲にその傾向は顕著で、シンプルに突っ走る曲調にしろ歌詞にしろ、ストレートに80年代のジャパニーズHM臭が打ち出されていて思わず赤面を誘われる場面もしばしば。(楽器陣の演奏精度の高さに比べVoが弱いのも如何にも80年代のジャパメタ的だ)
但し、インスト曲は勿論のこと収録各曲のハイライトを飾る木下昭仁のGプレイは、既にこの頃から尋常ならざる「気」を発散。彼の劇的な構築美を湛えたGソロが切り込んできた途端、楽曲がそれまでよりも数倍の輝きを放ち始めるのだから頼もしいったら。
個人的には疾走ナンバーよりも、重厚な“MABOROSHI”や、高音域はかなり苦しいが泣きの入ったVoの熱唱が映えるバラード“LOVE YOU”“ある去りがたき心に”、ダークでミステリアスな“TUSK”といったミドル~スロー系の楽曲の方がお気に入りです。

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