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Paragraph 3 - Museum / SABER TIGER
火薬バカ一代 ★★★ (2011-08-10 22:23:11)
初期音源集その3・・・と言っても、今回は過去2作とは趣きを変え、80年代から90年代にかけて発表されたSABER TIGERの名曲・代表曲の数々を、現シンガーの下山武徳のVoで録り直したベスト盤的性格も感じられる内容。
下山の声を『BRAIN DRAIN』で初めて聴いた時は、失礼ながら「暑苦しい声だなぁ」と余り好印象は持てず、当時は《人見元基に匹敵する実力派!》との評価を見聞きする度に「一緒にするない」と毒づいていたのですが、本作ラストに収められた“MISERY”のアコースティック・バージョンにおける、伸びやかでエモーショナルな歌声を聴いて彼に対する印象がぐるりと反転。確かに日本HR/HMシーン屈指の実力派シンガーだ!と認識を新たにすると共に、先に正しい評価を下されていた方々に深く頭を垂れて謝罪したくなった次第。しかしこれほど感動的な名曲が初回盤限定収録ってのは勿体ない話だなぁ。
久保田陽子時代に思い入れが強い身としては、1st~3rdの楽曲のリメイクに関しては評価を保留せざるを得ないのですが(前述の“MISERY”は除く)、それ以外については全く文句なしで、取り分け疾走系ナンバーは下山のパワフルな歌声を得たことで数倍魅力的にリボーン。名曲“DEAD ROLL”なんて凄まじいばかりの輝きを放っていますよ!(線の細い原曲も、それはそれで愛しくはあるのですが)
本作はSABER TIGER入門編としても立派に機能する1枚ではないでしょうか。

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