この曲を聴け! 

HERALDIC DEVICE / ANTHEM
火薬バカ一代 ★★ (2011-10-09 02:00:15)
こっちが「新生ANTHEM」だの「復活ANTHEM」だの言っている間に、当のバンドは順調にアルバム・リリースを重ねて本作で早13作目に到達。再結成してからは6枚目のフル・アルバムということで、気が付けば、あと1作で前期ANTHEMの作品数に並ぶところまで来てしまった。随分あっという間な気がするのはバンドの活動がそれだけ順調だった証でしょうね。
で。肝心のアルバムの内容に関しては、ANTHEM以外の何者でもないHMサウンドを展開しつつ、タフネスよりもメロディ重視という11th『IMMORTAL BIND』以降の方向性が今回も堅持されており、また、減少傾向にある昭和歌謡メタル的なクサメロよりも、洗練されたスマートでキャッチーなメロディが多く聴かれる辺りも近作の例に倣う。
それゆえ、柴田直人のB主導で突っ走るOPナンバー“THE SIGN”や、その勢いを引き継いでハジける“CONTAGIOUS”といった、まさしく「今」のANTHEMの魅力が凝縮された名曲を除くと、全体的にやや薄味な仕上がりの印象。
即効性に乏しい点は物足りなくも感じられるのだが、そうは言っても、猛烈な哀愁に思わず呻き声を上げてしまう“WAYFARING MAN”のような楽曲もちゃんと収録されており、決してメロディのクオリティが下がってしまったわけではない。
あと、個人的に本編で推しておきたいのが清水昭男(G)作曲の“CODE OF THE SILENCE”。作品毎に彼のペンによるインスト曲が収録されるのは再結成ANTHEMのお約束だが、その中でもこの曲の完成度はピカイチ。劇的且つ勇壮なテーマ・メロディに心震わされる度に「ソロ・アルバム作ってみない?」なんて思ったりもする次第。

→同意