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Agony / FLESHGOD APOCALYPSE
火薬バカ一代 ★★★ (2011-11-05 01:08:37)
メンバーに専任ピアノ奏者がいるとの情報にピアノ・サウンド愛好家としての食指をそそられ、バンドの事も碌に知らずに衝動的に購入してしまった作品。
で実際聴いてみると、確かに流麗にピアノが閃く場面は多々あるものの、へヴィな演奏にその音が埋もれがちで期待していたほど目立ってはいませんでした。
それでもブルータルなデス声Voと寒々しいメロディを朗々歌い上げるクリーンVo、暴力的に吹き荒れるリフ&リズムの嵐と、壮麗に楽曲を包み込むドラマティックなオーケストレーションetc・・・といった、数々の相反する要素を飲み込んで突進する陰影の濃ゆいシンフォニック・デス・メタル・サウンド(流石イタリア産)は全身が総毛立つ程に劇的で高品質。買って良かった。
そうした本編を個性的に彩るのが、ネオクラシカルな旋律とエモーションに満ちた泣きメロを紡ぐG、胸抉る程の悲壮感を醸し出すクリーンVo(Bが兼任)、それに人間離れした手数足数の多さに、思わず「プレイヤー」というよりも「アスリート」と表現したくなるDsの存在。(勿論、サウンドに気品を付与する我が愛するピアノの調べも良い仕事をしております)。殊に、凍えるような冷気と慟哭が渦巻く②⑤⑥⑦⑨といった楽曲のドラマティックさは圧巻ですね。
唯一、曲のパターンが少ないため1曲1曲のクオリティの高さに反して、通して聴くと少々引っ掛かりに乏しい点が玉に瑕かな。(各曲がブランクなしで繋がっている構成もそうした印象に拍車を掛けている印象あり)

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