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サーカス団パノラマ島へ帰る / 筋肉少女帯
火薬バカ一代 ★★ (2011-11-21 20:33:24)
筋肉少女帯ファンにとっては4th、メタル者にとっては橘高文彦(G)が本格的に曲作りに関与し始めた記念すべき最初のアルバム。
祝祭の非現実的な賑々しさと、それが過ぎ去った後に残される一抹の寂寥感を捉えた作風に、コンセプト作よろしく全編にサーカスとピエロ(道化者)のイメージが散らされた本作。凝った装丁が施されたブックレットはまるでメルヘンチックな絵本の如きだが、収録されている楽曲のタイトルは“電波ブギー”に“元祖 高木ブー伝説”etc・・・。
アクの強い独創的な音世界はかなり聴き手を選ぶものの、橘高の流麗なGプレイを得たことでサウンド全体のHM度は急カーブを描いて跳ね上がり(元々HR色は濃いめのバンドでしたが)、取り分け、パワーヒッター太田明の重く豪快なドラミングが映える“23の瞳”や“また、会えたらいいね”、そして中盤にアバンギャルドなジャズ調セクションを挟み込んで突っ走る必殺の様式美ナンバー“詩人オウムの世界”は、HR/HMファンなら思わず「おっ」と身を乗り出すカッコ良さが光る逸品。
ラストに控える“元祖 高木ブー伝説”なんてタイトルからして色物臭さが漂うが、実際に聴いてみると、これが野放図なエネルギーに満ちた演奏や凝ったアレンジ、ドラマティックな曲展開が初期KING CRIMSONを思わせたりもする、バカバカしくもエキセントリックな名曲なのだ。(筋少版“21世紀の精神異常者”か?)

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