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Styx II / STYX
火薬バカ一代 ★★ (2011-12-10 23:10:44)
'71年の発表当時は全く話題にならずビルボード圏内に入る事すら叶わなかったが、'75年、ラジオを発端に人気に火がつきチャートをみるみる急上昇、最終的には米ビルボードのシングル・チャート第6位にランクインしてSTYX初のトップ10ヒット・ナンバーとなった、今に至る彼らの代表曲の一つ“憧れのレディ”を収録する2ndアルバム。(アルバム自体も同曲のヒットに引っ張られる形で最高20位を記録しゴールド・ディスクを獲得している)
収められた楽曲の大半が他人の曲で、未だ方向性を模索中といった趣きだったデビュー作に対し、アーシーなロックンロール・ソングと、ヨーロッパのプログレ勢からの影響を感じさせるドラマティックな大作ナンバーの2路線からなる本編は、STYX独自の音楽性確立を予感させるに十分な内容。
尤も、ヒット曲②がそのどちらでもないデニス・デ・ヤングの甘い歌声が活かされたメロウなナンバーである辺りが、このバンドの将来進むべき方向を物語っていたわけですが。
静の前半/動の後半の対比もドラマティックな7分越えの大作曲③、「有名クラシック曲の引用」という初期STYXのお約束に則って、序曲パートにバッハの“小フーガ ト短調”の旋律を組み込んだ⑥といった名曲が収録されているものの、作品全体としては後のSTYX的な華やかさよりも、寧ろ素朴な佇まいが微笑ましくも好感触な1枚かな。
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