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Land of Broken Hearts / ROYAL HUNT
火薬バカ一代 ★★★ (2012-02-25 02:12:45)
'93年に発表されるや「凄い新人バンドが現れた!」と輸入盤市場で話題となり、すぐさま国内盤のリリースも実現したデビュー作。
今では北欧メタル・マニアに留まらぬ幅広い層からの支持されるROYAL HUNTなれど、この頃のサウンドからは現在の彼ら程のスケール感やドラマ性は感じられず、スピーディな様式美HMナンバーにしろ、軽快に弾むシャッフル・チューンにしろ、ストレートに「北欧メタル」している印象の方が強い。スリリング且つ劇的なインスト・パートの充実度に比べ、ヘンリック・ブロックマンの生硬い歌声が弱く感じられる辺りも、いかにも北欧メタル的だ。
尤も、この朴訥としたVoが歌う寒々としたメロディはこれはこれで案外魅力的。また時にクラシカルに、時にシンフォニックに、冷やかな旋律を奏でて楽曲をドラマティックに彩るアンドレ・アンダーセンのKeyワークや荘厳さ漂う美しいコーラス等、後々までこのバンドの重要な個性となる要素も既に確認する事ができる。
中でも一押しは、GとKeyがバトルを繰り広げながら疾走する“HEART OF THE CITY”。この手の様式美HMナンバーは本作以降姿を消してしまう上、2コーラス目で一瞬閃くピアノ・サウンドが印象的でカッコイイったらないですよ。
ROYAL HUNTと言えばやはりD.C.クーパー加入以降のアルバムこそが必聴作でしょうが、衝撃度で言えば個人的にはこのデビュー作がやはり一番大きかった気がします。

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