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Th1rt3en / MEGADETH
火薬バカ一代 ★★ (2012-02-26 16:28:50)
復活以降は傑作アルバムを連発、恩讐を乗り越えて行われた「BIG 4」ツアーも成功裡に終わらせ、更には盟友のデイヴィッド・エレフソン(B)が戦列復帰を果たす等、精神的にも肉体的にも(首の手術はありましたが)絶好調な状態にあるデイヴ・ムスティン率いるMEGADETHが贈る最新スタジオ作。
スラッシーなスピード感の抑制、ミッド・テンポの楽曲が目立つ本編の構成、90年代の迷走さえも糧へと変えたメロディの練られ具合、それに何より、シンガーとしてのデイヴ・ムスティンの存在感にまず耳奪われる本作を一聴しての感想は、やはり多くの方々同様「『COUNTDOWN TO EXTINCTION』に似てるなー」というものでした。それにしても、キャッチーなのにニヒルで、尖がりつつも歌心を失わない彼の歌唱を聴くに付け「凄いシンガーになったなぁ」との思いを新たにさせられますね。
そんなムスティンの唯一無二のVoに、酷薄に刻まれるリフ&リズム、稲妻のように閃くデイヴとクリス・ブロデリックのツインGが波状攻撃を仕掛けてくる冒頭3曲の畳み掛けや、同名ゲームのテーマソングでもある“NEVER DEAD”、ダーク且つメランコリックなMEGADETH流バラード“TH1RT3EN”は、現在のバンドのテンションの高さを如実に伝える名曲ですよ。
但し、この作風で全13曲収録のボリュームは――例えアルバム・タイトルにちなんでいるとは言え――少々キツイ。中弛みの原因になっているので、出来ればもう少しシェイプアップを図って欲しかったなぁ…と書いていてふと思ったけど、通して聴くよりも摘み食い的に何曲かピックアップして聴きたくなる辺りも『COUNTDOWN~』的ですね。

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