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Strength of Steel / ANVIL
火薬バカ一代 ★★★ (2012-03-06 22:32:12)
レコード会社やマネージメントとのトラブルが原因で4年間もの沈黙を余儀なくされたANVILが、心機一転、新たにMETAL BLADE RECORDSと契約を結んで'87年に発表するや、バンド史上初めてビルボード・チャートにランクインを果たす等、(ささやかな規模ながらも)過去最高の成績をマークした4thアルバム。
スピードが抑制され、メロディ重視で組み立てられた作風はスラッシュ/パワー・メタルというより「アメリカンなノリも兼備した正統派HM」といった趣きですが、溌剌としたサウンドは相変わらずパワフルで重量感に溢れ、何よりキャッチー。マッチョなジャケット・アートワーク等も含めて『FIGHTING THE WORLD』を発表した頃のMANOWARに通じる魅力が感じられたりする場面も。
前半にミッド・テンポの楽曲が集中するため聴き始めこそ地味な印象を受けるかもしれませんが、重厚なアルバム表題曲①や、ソリッドでクールな佇まいの②は掛け値なしの名曲。シャープ&メタリックなGリフが刻まれる疾走ナンバー⑥で幕が開く後半戦も、PVが作られたライブの定番曲⑦、リップスのシンガー/ギタリストとしての才能が炸裂するヘヴィでメロディアスな⑩、そしてJUDAS PRIESTばりの劇的なイントロとアウトロを備え、ロブ・ライナーの荒れ狂うドラミングが聴きモノの名曲⑪にて幕が降ろされるまで、本編にはより幅広いリスナーにアピールするべく、「らしさ」と「ポップな新味」が意欲的に織り交ぜられた楽曲が集う。
実績とクオリティに反して余り顧みられる機会のなかった不遇の1枚ですが、近年、漸く再発が叶ったのでこの機会に是非ご購入下さい。

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