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Steel / BATTLE BEAST
火薬バカ一代 ★★★ (2012-03-21 09:26:32)
今時「BATTLE BEAST」ですよ。この全くヒネリのないフルチン気味なバンド名に、思わず目頭を押さえてしまいましたね。
大仰なSEや序曲で勿体付けることなく、シンプルにスタートする本編に詰め込まれているのは、問答無用でヘッド・バンギングを誘発する勇壮なリフ&リズム、楽曲に潤いとキャッチーさをもたらすKey、それにリーダーのアントン・カバネン(G)が担当するウド・ダークシュナイダーばりの濁声コーラスを伴って、パワフル且つソリッドに押し出してくるド直球のHMサウンド。
ストロングなだけでなく、思わず合唱を誘われる叙情味とフックの効かせられたサビメロ作りの上手さからは、NWOTHMの有望株KISSIN' DYNAMITEに通じるセンスの冴えが感じられますが、彼らに比べるとこのバンドはグッと「しなやか」な印象で、それはやはり「女スティーヴ・グリメット」との異名を取る女性シンガー、ニッテ・ヴァロの存在が大きいと思われます。(勿論体型ではなく声質の話)
張り/艶/伸びの三拍子揃った彼女の強力無比な歌声は、時に本家を凌駕せんとする勢いのパワーをも発揮しており、聴く度にこちとらメタル魂にガンガン燃料を注がれまくりですよ。取り分け、漫画『ベルセルク』にオマージュが捧げられた重厚なエピック・ソング③、雄々しく聴き手を鼓舞するアルバムのハイライト・ナンバー⑩という2大名曲で披露する熱唱ぶりは本編の白眉。
勿論、アルバムにはこれ以外にも高品質な楽曲が取り揃えられており、敢えて注文を付けるなら「完成してたけど今回は収録が見送られてしまった“BLACK NINJA”なる楽曲が是非聴いてみたかったなぁ」ぐらいのことしか思い付かないレベルの力作。
CRYSTAL VIPER辺りがイケル口の人なら絶対にチェックすべき1枚ですよ。
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