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Worship Music / ANTHRAX
火薬バカ一代 ★★★ (2012-04-25 22:32:34)
ジョーイ・べラドナ(Vo)が出戻ったご祝儀代わりに購入したのですが、想像以上にイカした内容に驚かされた10thアルバム。
名手チャーリー・ベナンテの爆発的ドラミングに導かれてスタートする本作とは言え、今更彼らがストレートなスラッシュ路線へと後戻りするわけもなく、ここで開陳されているのは流行に敏感なANTHRAXらしく、疾走感はそこそこに、ヒネリを加えて刻まれるリフ&リズムと、肉厚でしなやかなグルーヴ、それに今風の空気感もしっかりと捉えられたメタル・サウンド。
そんなわけで2ndや3rdのノリを期待するとスカされること確実ですが、しかしながら昨今のスラッシュ・リバイバルに触発されたのか、はたまた、ここ数年アメリカのモダンなメタル・サウンドが一周回って正統派HM色を強めている事の証左なのか、本作がその端々においてオールドスクールな要素を増量している事は紛れもない事実。シンガーが快活な歌い回しを得意とするジョーイにチェンジしたことで、作品全体の歯切れの良さが強化された点もプラスに作用していますね。
そのジョーイが歌う憂いを帯びたキャッチーな歌メロと、正統派ヘヴィ・メタリックなフレーズを紡ぐ2本のGのカッコ良さには辛抱堪らんものがあり、③④なんて、初期の正統派/スラッシュ・メタル・テイストと現代的なエッセンス、そしてキャッチーなメロディとがハイレベルな融合をみた名曲ですよ。
雄々しく盛り上がる⑤、悲壮感を湛えた⑥、ツインGの絡みが印象的な⑨(その名も“JUDAS PRIEST”!)、メランコリックなヘヴィ・チューン⑩等、オールドスクールなメタル好きの耳をも捉える楽曲が顔を揃え、近年、ANTHRAXと距離を置いていた方にもお薦めできる1枚に仕上がっているのではないかと。
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