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Swaddling Songs / MELLOW CANDLE
火薬バカ一代 ★★★ (2012-04-29 09:00:32)
OPETHやCATHEDRALからもリスペクトを捧げられるアシッド・フォーク・バンドが'72年に残した唯一のフル・アルバム。
・・・と書くと、何やら敷居の高そうな音楽性に思われるやもしれませぬが、これが全編に亘って叙情メロディの魅力がストレートに打ち出されている作品で、非常に取っ付き易い。HR/HMファンからすると些か刺激に欠ける音である事は否定できませんが、ウォームな音色のBや、随所で哀愁のメロディを差し込むG、それに流麗な指捌きで曲調を淡く彩るKeyが取り入れられたサウンドは、フォークそのものというよりもプログレッシブ・ロック的な味わいも感じさせてくれます。
何より、アニー・ハズラム系のクリアなソプラノ・ボイスが持ち味のクロダー・シモンズと、より姐御度の高い(時折カルメン・マキ風な)歌声を聴かせてくれるアリソン・オドンネルという二人の歌姫を擁していることがこのバンド最大の強みで、彼女たちが時に麗しくハモり、時に掛け合いを展開する事で、楽曲には豊潤なエモーションと深い陰影が生み出されており、そのサウンドは意外なほどメリハリが効いている。
フォーク/トラッド的な哀愁を帯びた①、インスト・パートにおけるピアノの活躍っぷりに聴き惚れる②、後期カルメン・マキ&OZチックな⑤、ビートの効いた演奏の上をタイプの異なる二人のシンガーの歌声が華麗に舞う⑥、冷やかな哀愁を湛えた⑦辺りが個人的にはお気に入り。アルバム後半はポップ度が増しますが、それもまた良し。

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