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THE PRICE FOR THE HUMAN SINS / PASTORE
火薬バカ一代 ★★ (2012-05-13 08:12:10)
オペラも歌える実力派シンガー、マリオ・パストーレ率いるバンド――というかこの時点ではプロジェクト――が'10年に発表したデビュー作。
BURRN!!誌では90点台の高得点を叩き出す等、『PINKILLER』を発表した頃のJUDAS PRIESTを思わせる骨太で劇的な正統派HMサウンドがここ日本でも高く評価された本作。特筆すべきはやはりマリオ・パストーレの堂々たる歌いっぷりで、若き日のロブ・ハルフォードとブルース・ディッキンソンを足して2で割ったようなパワフルなハイトーンVoは、聴く者のメタル魂をビンビンに刺激してくれます。
JPの『PAINKILLER』といえば、アグレッシブで押しの強いA面よりも、劇的でメロディアスな楽曲が並んだB面サイドをより愛聴している身としては、本作は全体的に肩に力が入り過ぎていて、Voの素晴しさに比べ収録楽曲に(特にメロディに関して)弱さを感じる場面が無きにしも非ずなのですが、とは言え、OPナンバーに相応しい猛々しさで迫り来る①や、ラファエル・ガザル(G)のセンス溢れるGプレイも光るヘヴィ・チューン③、劇的に疾走する⑨、ボートラ扱いなのが勿体ない⑫といった楽曲を聴けば、このバンドが秘めるポテンシャルの高さは十二分に伝わってきます。
特にアコギに導かれてスタートし、ドラマティックに盛り上がっていく⑦は、激情を吐き出すマリオ入魂の熱唱に心震わされること必至の名バラードですよ。

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