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Crisis in Utopia / HOLY GRAIL
火薬バカ一代 ★★★ (2012-05-19 21:33:17)
JUDAS PRIESTの“EXCITER”とACCEPTの“FAST AS A SHARK”の(ベタだけどハマってる)カヴァーを収録している事からも察しの付く通り、直球勝負の正統派/パワー・メタル・サウンドに軸足が置かれているこのデビュー作ですが、一方で「もうちょい色々な要素を取り入れたHMを追求したい」との理由でWHITE WIZARDと袂を別った人達が作ったアルバムなだけに、ワイルドな声質のVoが歌うメロディからはモダンなセンスが感じられたり、SHRAPNELメタルばりに派手に弾きまくり高速でハモるツインG、時にスラッシュ/デス・メタリックなビートを織り交ぜて畳み掛けるリズム、そしてエピック・メタル調のドラマティックな曲展開・・・といった具合に、彼らが強く影響を受けたジャンルのエッセンスが随所で顔を覗かせている。
2本のGがRACER Xを思わせる暴れっぷりを披露するOPナンバー①、雄々しいシンガロング・パートと小気味良く動き回るBがIRON MAIDENからの影響を実感させる②、スラッシュ・メタル風味のアグレッシブな曲調に劇的なネオクラGソロが華を添える④、ちょいとプログレ入ったインスト曲⑥を序曲代わりにドラマティック且つ勇壮に盛り上がっていく⑦、ブラスト・ビートやデス声をアクセントに、ラストをスリリングに〆る疾走ナンバー⑪辺りは、彼らが目指すサウンド・スタイルが判り易い形で具現化された名曲ではないでしょうか。
高い評価を獲得した本作リリース直後に、LOUD PARKに参戦するため初来日を果たす等、一躍NWOTHMのトップランナーに躍り出たにも拘らず、その後、活動の噂がさっぱり伝わってこないのがもどかしくも残念至極。

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