この曲を聴け! 

Headless Cross / BLACK SABBATH
火薬バカ一代 ★★ (2009-07-04 23:38:00)
様式美HM界究極のパワーUPアイテムことコージー・パウエルを得て'89年に発表された、後期BLACK SABBATHの
最高傑作と言うべき14thアルバム。
SEに続き、ドッスンドッスンと異様に重々しく炸裂するコージーのバスドラに、思わずシャンと背筋が伸びてしまう
名曲②で幕を開ける本作は、トニー・マーティン加入で様式美HM路線へと立ち返った前作『THE ETERNAL IDOL』の
作風を継承しつつ、スケール感、ダークネス、荘厳さと、あらゆる面に置いて桁違いのグレードUPを遂げており、
その最大の推進力は間違いなくコージー御大の存在。凡百のドラマーとは「鳴り」からして違う、厳粛且つヘヴィネス漲る
彼のドラミングの威力はやはり格別で、ドラム・プレイのみでここまで楽曲の「格」を高められる存在が他にいようか?
いや、いない。(ちなみに本作ではアイオミと共同でプロデュースも手掛けている)
そのコージーの熱演に引っ張られる形で、アイオミの燻し銀の魅力に満ち溢れたG、マーティンの麗しきVo、
共に前作以上の冴えを見せ、これでBが二ール・マーレイだったらもう完璧だったのだけど・・・。
尤もそうした些細な不満(なんて大袈裟なものではないが)も、超名曲②、攻撃的な③、緩急に富む劇的な④、
エモーショナルに咽び泣くGソロが絶品な⑤、エキゾチック&ミステリアスなGリフが印象に残る⑥、ノリの良さも
備えた⑦、タイトル通り漆黒の闇を思わせるヘヴィ・バラード⑧と、王者ならではの威厳と風格を湛えた
捨て曲なしの楽曲群の前には雲散霧消。
後期BLACK SABBATHの何たるかが知りたければ、まず本作を聴く事をお薦めさせて頂きます。

→同意