この曲を聴け! 

THE VOIDANCE OF MAN / SINPULARCTOS
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-06-23 23:59:57)
2005年発表の3rd。
2007年にSabbathidより曲順を変更、新曲を追加して1000枚限定で再発。
私が手に入れたのも再発盤です。

この作品は上のDelnoirさんのレビューを読んで買ってしまったんですが、これは凄まじいですね。買って大正解。鬱ブラック由来の陰鬱極まりないトレモロに、葬式ドゥームの質量感のある暗黒をプラスし、更にノイズ/パワーアンビエント要素を加える事でどす黒さをより増した中で、発狂寸前の絶叫が響き渡る危険極まりない漆黒のサウンド!!…とか言いたいところなんですけど、そんな風に簡単に纏めるのが失礼なくらいカルトなムード漂ってますね…。

確かに、鬱ブラックと葬式ドゥーム、パワーアンビエントを上手いこと絡ませて神経が焼かれそうなレベルのどす黒さを演出している…というのは間違いないんですが、この音は「闇」とか「黒」とかのもう一つ先のレベルって感じなんですよね。真っ黒に塗り潰された視界に、人間を惑わせて発狂に追い込むような、ヤバい光が明滅している感じというか…。ずっと聴いてるとサイケデリックな中毒性すら感じるほど。

そんな暗黒空間に響く、ブラック由来のトレモロリフは音色・メロディ共に精神汚染的な危険さが漂ってますね…ただ気分を落ち込ませるとかじゃなくて、脳波を妨害して人間の意識を衰弱に追い込むような、そんな波形が形成されているような…聴いているとそういう妄想すら浮かんできてしまう陰鬱さ。鬱ブラックをある程度聴き慣れてる人でもこれは脳焼かれると思う。

ただし、音そのものが相当カルトな上に、20分以上に及ぶパワーアンビエント曲もあったりするので、その辺りに耐性がないとちょっと厳しいかも。大分世間様の価値観に背きまくってる感じなので、サブカル志向でXASTHURに手を出したり、プログレ筋からNACTHTMYSTIUM聴いた人が、軽い気持ちでこっちにも手を出すと大火傷するかも。覚悟が決まった人、普段からポーズでないマジな陰惨さの音を求めてる人は是非。

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