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Clockwork Angels / RUSH
帰ってきたクーカイ ★★★ (2012-06-26 20:33:42)
本人たちの言によると、前作も結構インストゥルメンタル的に弾きまくったらしいのだが、私が受けた印象ではアコースティックな感じだった。
今作もかなり弾き(たたき)まくっているのだが、前作とは異なり、かなりへヴィだしグルーヴィだ。ゲディのベースがぐいぐいと引っ張っていく曲が多いような気もする。
ある意味へヴィ・メタリックとも思われる今作は、はからずもドリーム・シアターにちょっと近いような感じもあるのだが、ドリーム・シアターと決定的に異なるのは(リズム・チェンジを多用する複雑な楽曲構成が、こんなに類似しているのにも関わらず!)、やはり、“自分たちは何でも出来る。何処へでも行ける”という自信に裏打ちされた自然かつ自由な実験精神が、作品の隅々まで行きわたっているからだろう。 どのような作風を追及しても、RUSHのアイデンティティは確かなものであり、しかも自らの焼き直しを作らない。それは、“同じことを繰り返さない”と自らに課しているというよりは、“ここをこうすると、どこに行ける?”という純粋な好奇心のためであるように思う。「型にはまる(もしくは、はまらない)」という意識が存在する以前に、そもそも型などないのだ。彼らには。
全く、稀有なバンドである。
そして本作も、疑いなく傑作である。
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