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Zurück in die Unterwelt / ANGMAR
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-07-14 15:59:07)
2009年発表の2nd。

ANGMARというと、あのALCESTともスプリットを出した事で有名ですが…確かにそれも頷ける、シューゲイザー/ポストブラック勢にも通じる、儚げで浮遊感のあるメロディセンスを持った作風ですね。ただこちらはノイジーなリフや苛烈に疾走するパートも多い楽曲構成、憎しみを剥き出しに絶叫するヴォーカル等、よりブラック色が強い音で、ALCESTやLES DISCRETS辺りのシューゲイザー系のバンドの持つ幻想的なムードを保ったままがっつりブラックを演っているような感じ。

しかしこのバンド、本当に楽曲が優れてますよね。トレモロリフを一つ取ってみても、ただ儚くてエモーショナルというだけでなく、男性クワイアと合わさって異形の森が眼前に迫るような非日常的で、思わず畏れを抱いてしまうような感覚を演出してみせたり、ファストなリズムと合わさって身を切るような苛烈さを表現していたり、フレーズがいちいちドラマティックで、芸術的ですらあるんですよね…。

曲の構成も非常に上手く、特に20分を超える大曲の3曲目はかなり長めの時間をアコギパートに割いていたりしますが、凡庸なバンドが同じことをしたらダレてしまいそうなところ、このバンドは常に聴き手を世界観から離さないような、求心力の高さをしっかり保ててますからね…。むしろアコギだけでもずっと聴いてられるレベル。こういう「引き」のパートでも「押し」のパート以上の魅力を出せる辺り、本当に一流なんじゃないでしょうか。

アートワークもこのバンドの音楽を聴いていて浮かぶ情景そのままという感じなので、ジャケを見て、「この薄暗くて幻想的な森の中で心行くまで森林浴がしたい」と思った方は是非レジに持っていくことをお勧めします(笑)。メロブラ好きからシューゲイザー系好きまで必聴のアイテムですよ。

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