この曲を聴け! 

Einblick in den Qualenfall / VERDUNKELN
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-07-27 20:46:15)
2007年発表の1st。

これはアトモスフェリックブラックの中でも、かなり陰鬱な雰囲気の強い作品ですね。聴いているだけで気が滅入ってくるような暗いメロディのアルペジオと、荒涼感を醸し出すギターノイズ、妙に粘着質な重っ苦しさを演出するベースが絡むと、まるで光の差さない荒廃し切った不毛の大地を、ただあてもなく歩き続けているような、全く救いのない情景が浮かんできますね…。時折入る儀式的なクリーンヴォーカルも、薄暗く湿ったムードを更に助長。

最も長い曲で17分を超える大作主義で、ミニマルな展開も多い作風ながら、メロディアスなリードギターが入るパートやメタリックな刻みリフを用いた、実体的なパートもあり、それが基本的に雰囲気重視の作風の中にあって上手くドラマティックさを演出出来ているように思います。1曲目の後半なんてメロディック・ブラックにカテゴライズしてもいいくらい、メロディの主張が強く聴きやすい。ただ、メロいパートでも重く影を引きずるような根暗さは変わらないのでご安心を。

関連バンドのGRAUPELやNAGELFARと比較しても、かなりダークなムードの強い作品だと思う。宗教的な邪悪さや感情的な悲痛さが暗さに繋がっているというより、もっと直接的に黒い情景そのものを描き出すような作風。CDショップのブラックの棚眺めてるとVINTERRIKETの近くに置いてある事も多いと思うんですが(笑)、ああいう情景的な暗さを好む方にはこのバンドもお勧め。

→同意