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Death or Glory / RUNNING WILD
火薬バカ一代 ★★★ (2012-07-29 01:23:30)
ロックン・ロルフ・カスパレク率いるジャーマン・メタル軍団、'89年発表の5thアルバム。
HELLOWEEN一派に比べるとメロディに愛想がない分、胸毛も腋毛もボーボーな男臭くて大仰なパワー・メタル・サウンドが持ち味の彼らは、いち早く「海賊」のイメージを取り入れていたことで有名ですが、昨今の所謂ヴァイキング・メタル・バンドが、史実と地続きのリアルなヴァイキング像や彼らの思想性・精神性に拘っているのに対し、RUNNING WILDは飽くまでフィクション上に立脚し、ある意味ショー・アップされた海賊のイメージを追及しており、大スケールで展開される楽曲の方も、暗さやアングラ臭以上に、華々しく劇的な感触の方が強く感じられます。(だからこそ「ヴァイキング・メタル」ではなく「パイレーツ・メタル」と評されているのでしょうか)
大航海の始まりを力強く宣言する疾走ナンバー①でハートを鷲掴みにされてしまう本編は、以降も起承転結が決まった④、スピーディな曲調に血沸き肉踊る⑥など優れた楽曲が頻出。トドメの一撃は“ワーテルローの戦い”を題材に取り上げた8分に迫る大作曲⑩で、後々バンドのトレードマークとなるケルト風味のメロディやアレンジが、重厚且つドラマティックな曲展開を絶妙に彩る名曲です。
当サイトにおいて一番人気なのも納得の、RUNNING WILDの最高傑作。
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