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Splended Deed / WICCA
火薬バカ一代 ★★ (2012-09-12 22:31:40)
ドイツはコンスタンツ出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドが'87年に発表した1stアルバム。
この時期のジャーマン・スラッシャーと言えば、例え演りたいことに技術やセンス、プロダクションの質が追いついていなくとも、「でも演るんだよ!」とばかりに初期衝動を剥き出しにして、一転突破を目論む猛者揃いだったイメージが強いですが、それら歪な(そこが魅力でもある)バンド群に比べ、このWICCAはスピーディだが破れかぶれではなく、尖がっているけど触れれば切れる程ではなく、アグレッシブだけど程々にキャッチーでもある・・・といった具合に、かなり抑制の効いた(聴き易い)スラッシュ・サウンドを志向している。
デビュー作にして早くも安定感すら漂わす内容は、卒なく平均点以上にまとめられているものの、それゆえ無難過ぎて引っ掛かりに乏しく、物足りなくも感じられてしまう・・・というのがこのジャンルの難しいところ。
一方で、頭抜けた名曲こそ見当たらないまでも、B主導で突っ走る様がクールな⑤を手始めにイカした楽曲はきちんと収録されていますし、何より、80年代が遠くへと過ぎ去った現在に改めて聴き直すと、本作に詰め込まれたオーセンティックなスラッシュ・メタル・サウンドには、無性に郷愁をそそられてしまいますよ。
ちなみに、バックコーラスでRAGE(当時)のマンニ・シュミットが参加している(筈)。

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