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RAY KENNEDY / RAY KENNEDY
火薬バカ一代 ★★ (2012-09-20 22:33:06)
60年代からのプロ・キャリアを誇るベテラン・シンガーが、プロデューサーにデヴィッド・フォスターを迎えてレコーディング、'80年にARC RECORDSから発表した2ndソロ・アルバム。
レイ・ケネディに関しては、M.S.G.の一員として来日し、SUPER ROCK '84で古参M.S.G.ファンを「西武球場の悪夢」と戦慄せしめるパフォーマンスを繰り広げた人・・・ぐらいの知識しかなかったのですが、本作を聴いたらそんなネガティブなイメージも一変ですよ。
スティーヴ・ルカサーにジェイ・グレイドンら、TOTO人脈に連なるゲスト・ミュージシャン達の達者な演奏と、レイ・ケネディのソウルフルな歌声に色彩豊かに彩られたこのアルバムには、彼のキャリアの長さと経験の豊かさが克明に刻み込まれており、本編で展開されているポップでお洒落、そして都会的なスマートさを併せ持ったAOR/産業ロック・サウンドには、なるほど「クール・ガイ」なる邦題がピタリとハマッています。
スティーヴ・ルカサーが気持ち良さげに弾きまくる躍動感溢れる①④、エモーショナルな歌声が映えるロマンティックなバラード③⑤(後者はビル・チャップリンもカヴァー)は掛け値なしの名曲ですが、何と言っても聴きモノは、八神純子の“パープル・タウン”盗作訴訟騒動でも知られる⑥。軽快なKeyアレンジも秀逸なこのロック・ナンバーにおけるレイの歌声は、時にグラハム・ボネットを彷彿とさせるパワフルさで、ひょっとしてマイケル・シェンカーはこれを聴いたのか?と、思わぬところで点と点が線で繋がった気分になりましたよ。(気のせい)

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