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Stranger in Us All / RAINBOW
火薬バカ一代 ★★★ (2012-10-07 22:05:30)
熱心なファンの皆様におかれましては言いたいことも多々ありましょうが、個人的には、リアルタイムでリリースに立ち会えた最初の(そして恐らく最後の)RAINBOWのアルバムということで、思い入れも一入の1枚。
この作品発表のちょっと前まで、DEEP PURPLEの新作『紫の聖戦』のしょっぱい出来や、来日公演を直前に控えたDEEP PURPLEからの離脱等で猛烈なバッシングを浴びていたにも関わらず、本作をもってその世評をまるっと引っ繰り返してみせたリッチー・ブラックモアという稀代のトリックスターの実力には、腹の底から感服させられました。
ここに収められた楽曲に関しても、鮮やかなスパニッシュGソロにアガりまくる名曲“BLACK MASQERADE”や、ペールギュントの“山の魔王の宮殿にて”をモチーフにした“HALL OF THE MOUNTAIN KING”を筆頭に、「嘗ては凄かった人」という過去形とは一線を画す、リッチーの現在進行形の凄味をしっかりと伝えてくれる出来栄え。勿論「RAINBOWに駄曲なし」の伝統が今作においてもしっかりと守られていることは言うまでもない。
そして、それらの楽曲を堅実に支える参加メンバー。特にドゥギー・ホワイトは(名前通り)強烈なカラーを感じさせない代わりに、時にロニー風、時にグラハム風、時にジョー風・・・といった具合に歌唱スタイルを変化させることで、御大の要求に柔軟に応えています。尤も、この辺の小器用な立ち回りが、ともするとベテラン・ファンの癇に障る部分なのかもしれませんが。
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