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First Base / BABE RUTH
火薬バカ一代 ★★★ (2012-10-08 22:15:23)
アラン・シャックロック(G)が結成し、歌姫ジェニー・ハーンを擁する英国出身のBABE RUTH――日本で例えるなら「王貞治」と名乗るようなもんだろうか?――が、'72年にHARVEST RECORDSから発表した1stアルバム。(邦題は『ベーブ・ルース 一塁占領』)
70年代刑事ドラマのアクション場面に使われそうなホットでエネルギッシュな①で本編の幕が上がり、続く②はアドリブ全開で乱れ打たれるピアノがジャジーな空気も醸し出す悲壮な名バラード。更に、張り詰めたテンションでぶつかり合う楽器陣がスリルとドラマを創出するカヴァー曲③④があったかと思えば、エスニックなフレーバー薫る⑤では、映画『夕陽のガンマン』テーマ曲のメロディを引用する遊び心を発揮・・・と言った具合に、繊細さと豪快さを併せ持った大作主義の下、HRやプログレ、ブルーズ、ジャズにクラシックに民俗音楽と、音楽の垣根を悠々横断してみせるカテゴライズ無用の懐の広い作風は、如何にも70年代のバンドならでは。
先に歌姫と書きましたが、そういった表現から想起される可憐さよりも、どこか気骨を感じさせるジェニー・ハーンのソウルフルな歌声も本作の方向性にピタリとフィットしています。
BABE RUTH作品では、最もハードにロックしている3rdアルバムが人気作のようですが、個人的にはやはりこのデビュー作がベスト。
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