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Babe Ruth / BABE RUTH
火薬バカ一代 ★★★ (2012-10-10 21:24:06)
プログレ・パート担当だったKeyが脇へと下がり大作主義が抑制された代わりに、ジェニー・ハーンのパッショネイトな歌声と、アラン・シャックロックのシャープでエッジの効いたGの存在感が増大。前2作に比べ、よりハード・ロッキンな気骨が全面展開されている'74年発表の3rdアルバム。(邦題は『炎のベーブ・ルース』)
バンドの最高傑作とも評される本作ですが、初めて聴いた時は、Keyの活躍の場の減少と共に楽曲からドラマ性まで薄れてしまっているようで今ひとつノレませんでした。
ただタイトに締まった楽曲の中で、アラン・シャックロックが奏でる熱い泣きメロに関しては不変・・どころか、これまで以上にGサウンドが強調されたことでその威力は倍化。デビュー作に引き続きマカロニ・ウェスタンの名曲(『荒野の用心棒』の“一握りのドルのために)をHRバージョンにビルドアップした③以降、Gが猛烈に咽び泣くカーティス・メイフィールドのカヴァー④、狂騒的ハード・ロックンロール⑤、スパニッシュ・ギターが哀愁を乗せて爪弾かれる⑦、本編随一のプログレ風味がドラマティックに薫る⑨等、多彩な音楽のエッセンスと、ジャニス・ジョプリンの系譜に連なるジェニー・ハーンの力強い歌唱、そして本作を最後にバンドを去ることとなるアランの置き土産的絶品のGプレイが渾然一体となった革新的な楽曲を多数収録。
ちなみにアラン脱退後に、その後任としてバンドに加入したのがバーニー・マースデンであることは良く知られた話。

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