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Trilogy / YNGWIE MALMSTEEN
火薬バカ一代 ★★★ (2012-10-23 19:22:21)
'86年発表の3rdアルバム。珍妙なアートワークを見る度に、学校の美術の課題でこのイラストを描いていたメタル好きのクラスメイトのことを思い出さずにはいられないのですが、それはともかく、内容的には珍妙どころか文句の付けようがないクオリティ。
音質の向上といった基礎部分の改善はもとより、キャッチーさを増した楽曲から、ギリギリ限界まで精度を追求し、(劇中歌ならぬ)曲中歌と言うべき高いドラマ性を有するまでに磨き上げられたイングヴェイのGソロ、それに張りよし/伸び良しのマーク・ボールズの歌声に至るまで、本作をマエストロの最高傑作に推す人が多いのにも合点が行くというもの。
Gに対するカウンター・パートのみならず、バッキングでも良い仕事をしているイェンス・ヨハンソンのKeyプレイや、メジャー・キーをアクセントに用いた“FIRE”(Gソロが感動モノ)のような楽曲が物語る通り、前作を分厚く覆っていたダークネスやササクレ具合が緩和され、すっきりと垢抜けたサウンドは、より幅広いHR/HMリスナーにアピールし得る魅力を獲得。
そして何より、個人的に本作を評価するポイントはその歌メロの良さ。前任者に比べると線は細いものの、伸びのある高音域を武器に、納豆のように絡み付くマークのコブシ回りまくりのVoが映える疾走曲②⑤や、緊迫感を湛えた⑥を聴いていると、思わず「これぞネオクラシカル!」と万歳三唱したくなりますよ。
前作『MARCHING OUT』が北欧様式美HMの最高峰なら、本作はイングヴェイ流HMの完成形。彼の入門編としてもお薦めできる名盤です。
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