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Perpetual Flame / YNGWIE MALMSTEEN
火薬バカ一代 ★★★ (2012-11-04 00:13:57)
弛んだ下っ腹をギターで隠し、精一杯のおちょぼ口で頬をへこませる等、痩せて見せるよう涙ぐましい努力の後が重ねられたジャケ写に思わずホロリとさせられる'08年発表の15thアルバム。
「同一シンガーとの仕事は2枚まで」という鉄の掟(?)に則ってイングヴェイの元を去ったドゥギー・ホワイトの後任は誰あろう、元JUDAS PRIESTのティム“リッパー”オーウェンズ。リリース当時は「繊細な歌い回しが要求されるイングヴェイ・サウンドにリッパーはないわー」との思いと、実際に聴いて感じた歌と演奏の猛烈な乖離っぷりに引いてしまったのですが、しかし本作、繰り返し聴き込んでこの組み合わせに慣れさえすれば、違和感は逆に新鮮さへと変わります。米国でのブレイクを果たさんとするイングヴェイの意気込みが全編に亘って横溢し、何より今回は曲数がちゃんと絞り込まれているので、トップの“DEATH DEALER”から全開で飛ばしまくっても途中でダレることはありません。“BE CAREFUL WHAT YOU WISH FOR”におけるリッパーのパワフルな歌声を聴いていると、まるでグラハム・ボネットの勇姿が二重写しになるようです。(一方で“RED DEVIL”のようなキャッチーな楽曲では、太い歌声が折角の躍動感を殺していて痛し痒し)
そして本作のもう1つのトピックと言えば、シンガー・イングヴェイがバラードに挑戦した“MAGIC CITY”。今までは他所の家の子の発表会を無理矢理見せられているような気分でしたが、今回はかなりの力作。彼のシンガーとしての成長振りにも感無量ですよ。

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