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The End of the Beginning / LIV MOON
火薬バカ一代 ★★★ (2012-11-08 22:32:56)
北欧神話をテーマに据えて制作されたコンセプト作で、そのためか(?)フィンランド在住のキコ・ルーレイロや、マグナス・ローゼン、EUROPEのキー・マルセロら北欧のミュージシャン達が多数参加している'12年発表の4thアルバム。
J-POPアルバムと見紛う飾り気のないジャケット・アートワークに意表を突かれる本作(通常盤の方ね)は、中身に関しても、ハードな方向に振られていた前作『SYMPHONIC MOON』とは若干異なる味わい。壮大なスケール感やシンフォニックなドラマ性は十二分に保持されていますが、ゴシック・メタル的なダークネスが抑制されたサウンドは、妖艶さを控えめにしたアカネ・リヴ嬢の歌声から、ポピュラリティ重視のメロディの組み立てに至るまで、全体的に神話世界を綴るに相応しい清廉な空気が色濃く漂ってきます。前作を愛する向きにはやや物足りなく思える部分もあるのですが、まぁこっちの方が幅広いリスナーにアピール出来る作風ではあるのかな。
特にキー・マルセロが楽曲提供し、一緒にデュエットまで披露するモダンなメロハー・ソング④と、ファンタジックに躍動するハードポップ・ナンバー⑧は、LIV MOONの新境地を切り開く名曲。勿論「掴み」に相応しい劇的さを有する①から②への流れ、ミュージカル・テイストの入った(ちょっと笑っちゃうぐらい)大仰な⑤、映画で主人公の旅立ちのシーンに流れそうな勇壮さを備えた⑭といった、従来のLIV MOON節が堪能できる楽曲の素晴しさは言うに及ばず。
前3作同様、ファンの皆様におかれましては安心してお買い求め下さい。

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