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Tales Of The Weird / PARADOX
火薬バカ一代 ★★★ (2012-12-15 21:45:14)
3年振りの新作ですが、それぐらいのインターバルだとPARADOXの場合「お、今回は早かったな」とか思ってしまいます。解散宣言まで飛び出したその3年間の波乱万丈っぷりに関しては国内盤解説に詳しいのですが、読みながら「もう'12年のベスト・アルバムはコレで決まりでいいや」とか思ってしまいましたよ。
実際お世辞でもなんでもなく、ソリッドでありつつ男の哀愁も背負ったチャーリーのVoと、メロディックに切り込んでくるツインG、そして機銃弾の如く速射されるリフ&リズムの猛ラッシュで聴き手を捻じ伏せる、PARADOX流パワー/スラッシュ・サウンドは無類のカッコ良さ。冒頭のスピード・ナンバー三連打や、切れ味鋭い⑨といった楽曲の武骨な畳み掛けには、このバンド不変の美学が宿っています。
今回はデス・メタル・バンド出身ギタリストが新たに加わっているため、更にブルータルな方向へ歩みを進めるのかと思いきや、この新Gが構築度高めのメロディックなソロを聴かせてくれる技巧派。更にサイバーな雰囲気を薄れさせた音作りや、久々に叙情インスト・パートを冒頭に置いた本編の構成etc・・・が物語る通り、アルバム自体はこれまで以上にオールドスクールな正統派HMテイストを増強した仕上がりに。
ツインGの絡みが劇的な盛り上がりを演出する大作曲①や、エピカルなサビメロにアガりまくる⑥、RAINBOWの名曲のカヴァー⑩辺りはその表れでしょうか?それに何より、キャッチーに突進する③は正統派HMとスラッシュ・メタル、双方の美点を併せ持った、全身の血が沸き立つキラー・ソングですよ。
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