この曲を聴け!
Shy / SHY
N.A.ROCKS ★★★ (2013-01-07 05:00:18)
[SHYってこんなバンドだったの!?]
はじめに、私はSHYのアルバムは代表作2枚しか聴いたことがありません。しかも聴きこんだとは言えません。好きだけど追ってはいなかったのです。始めに断っておきます。そしてこの2011年発表のセルフ・タイトルとなる作品を発売から1年以上経ってやっと購入したわけですが、かなりの衝撃を受けました。まず非常にイギリスらしいアダルトな作風で新ボーカルがとてもいい!しかもドはまりしている。正にイギリスの声!1曲目から劇的な曲が続き、手応えを感じましたがずっとこれが続く訳はないと思って聴いていました。しかし半分を過ぎても劇的な哀メロ曲が続き、読んでいる本(ながら聴きで申し訳ない)が全く手に付かなくなりました。1曲目から気になって仕方なかったですが。アルバム全体から感じられる気合が凄まじく、気品のあるブリティッシュ然とした音がかなりきてます。メタル歴20年以上の私ですがこういう事例は他に思い当たりません。当然のことながらリーダーであるスティーブ・ハリスのギターはどれも聴き応えたっぷりで、病をおしての(涙)渾身のギターソロが感動的です。時にゲイリー・ムーアを彷彿させたりと孤高の輝きをはなっています。結果捨て曲などはなく哀メロが堪らない曲のオンパレード。内2曲(確か⑨と⑫)のみ少し明るめの曲がありますが、これも悪くありません。全編良いのですが②④⑥⑦⑧⑩⑪などで劇的な曲が堪能できます。⑪のSAVE MEで完全にとどめをさされました。そしてこれはもの凄いアルバムだと確信しました。あまりにも劇的な曲が続くので直ぐに息苦しくなり中盤以降は吐き気がしました。こんなことも生まれて初めて。期待などしていないのです。だってこんなアルバムに出会えるとは思っていませんし、普通は大体が想定内の内容ですから。それにメロディアス・ハードのアルバムは必ず明るい曲やPOP過ぎるといったあまり好きでない類が入っているじゃないですか。それがほとんどないだけでも凄いことだけど、今回全編に感じられる気合、FAIR WARNINGやROYAL HUNTより劇的なのではと思う程のアレンジがされています。本当感動します。やはりスティーブ・ハリスが療養中に作った遺作ということを兼ね合わせて聴いてしまいますが、どんなことを思いながらこんな凄いアルバムを作ったんでしょうか。苦しかったんだろうなあとかそんなことを考えながら聴くと自然に涙がこぼれます。人間の底力を見た気がしました。SHY・スティーブ・ハリスは最後にやってくれました。
よくある言い方になりますが、メロディアス・ハードでも特にFM、TEN、HEARTLANDのようなのを求めてしまう方やPRAYING MANTISやFAIR WARNINGが好きな方は絶対買ったほうがいいです。初期BON JOVIが好きな方もいいかも。敬遠されるかもしれませんが、あまりに狂おしい内容なため息苦しくなったり、吐き気を催すかもしれません。当然BGMにはならないと思います。
最後にボーカルが新しくなり、リー・スモールという人ですがグレン・ヒューズに声質が似ていて歌い方も影響を受けていますが、これが功を奏していることを言っておきます。前任への思い入れや好みがあるとは思いますが、私はベスト・マッチだと思います。個性的とは言えませんが、トニー・ミルズとは違う良さがあります。何より大人っぽい所がいい。
上の方達やBURRN!誌でも高評価ですが、私程のことは言っていないと思います。元BURRN!誌F氏は年間BEST ALBUM NO.1に選んでいますが、ちょっと納得いきません。もっと評価されるべきだと思うのです。ただこのアルバムを点数で評価するのは難しいですし、これは名曲か、そうでないかとかいう聴き方をすれば、これまでの評価で大方よろしいかと思います。ですが、この尋常でないメロディの洪水を前にそれはあんまりかと思うわけなのです。まあとにかく多くの方に聴いて欲しい作品です。私は前作、前々作も同様に良いらしいので必ずGETします。
まだSHYをこれからもっと聴いていこうという私ですので思い違い等あるかもしれません。
長い駄文で申し訳ありません。
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