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Nemesis / STRATOVARIUS
ヤングラジオ ★★★ (2013-02-20 18:06:57)
今だから言うけど、僕にとってアルバム「POLARIS」は、楽曲的にはツギハギだらけという印象で、メインのソングライターを失ったダメージの大きさが、強烈に印象に残る作品であった。
だけど、裏を返せば、メンバーの必死さが伝わる内容で、何とかバンドを存続させたいという強い思いが、僕には痛いくらいに伝わってくる作品だった。
だから、彼らを応援したいという気持ちになった。
そして、前作「ELYSIUM」は楽曲的には完全復活という内容で、マティアスを獲得できた事が、運命的とも言える程の効果をもたらした作品となった。
今後このバランスさえ崩れなければ、彼らの将来は安泰であると言い切れる程の楽曲の充実度があった。
さて、この新作、かなりの違和感がある。
前作を聞いたファンで、この作風を予想できた人は居ないのではないかと言えるぐらいに、モデルチェンジをしている。
先ず全体の印象としては、トルキ在籍時の全盛期のような力強さが復活している。
前作にあった、作品全体の統一性という要素は若干減少したけれど、それを補って余りある新たな魅力が加わり、1曲1曲の聴き応えという点では、過去最高のレベルまで達している。
楽曲は、単純には流れない。
どこかにひねりが加わっていて、ある意味先が読めないワクワク感が持続するのである。
今までの自分達のスタイルを維持する事よりも、新たな自分達への挑戦的意識がそれをはるかに上回るという、ある意味アーティストのとって理想的な姿が、ここにある。
これは、いい。
STRATOVARIUSというバンドの、存在価値を高める作品である。
V字回復と呼べる成長具合で、タイトさとヘヴィさの復活は嬉しい誤算でもある。
予想を遥かに上回る、充実度である。
→同意