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Fireworks / ANGRA
殺戮の聖典 ★★ (2006-07-27 01:41:00)
JUDAS PRIESTのような正統派ヘヴィ・メタルの後継者を意識し、アナログ・テープやヴィンテージ楽器を駆使して作成された'98年発表の3rd。
プロデューサーはTHIN LIZZY、JUDAS PRIEST、HELLOWEEN等を手がけたクリス・タンガリーディス。
クラシックからの影響が目立った1st、そこにブラジリアン・リズムを大胆に導入した2nd、そして、正統派ヘヴィ・メタル・サウンドの本作と、こうも作品ごとにサウンドの表情を変えるバンドも珍しい。
生ストリングスを起用した美しく劇的な「WINGS OF REALITY」や、正統派メタル・ナンバーの「METAL ICARUS」、文字どおり驚異的なスピード力を誇る「SPEED」といった疾走チューンは文句なしにかっこいいし、エキゾチックで哀愁漂うメロディのリーダー・トラックの「LISBON」や、マトスの伸びやかな歌声があまりにも美しい絶品のバラード「GENTLE CHANGE」は珠玉の美しさを放っている。
その他、'70年代ロックを意識したかのような「PETRIFIED EYES」、ミステリアスな歌メロの「PARADISE」、ギターが縦横無尽に駆け巡る「MYSTERY MACHINE」、雄大かつ爽快なメロディのタイトル・チューン「FIREWORKS」、エッジの利いたギターがかっこいい「EXTREME DREAM」といった佳曲のほか、ボーナス・トラックとして哀愁漂うメロディの「RAINY NIGHTS」を収録。
決して悪い作品ではないが、正統派であるということを意識しすぎたか、これまでの作品に見られたバンドの強烈な個性までもが損なわれてしまった気がしてならない。

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