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Anderson, Bruford, Wakeman, Howe / YES
帰ってきたクーカイ ★★★ (2013-04-14 18:53:28)
 はっきり言いますが(書きますが)、YESの作品としてなら本作は高い評価をできません。
 何故か。
 私は、YESの傑作が持つ魅力は、どうにも腑分け出来ない、カオスな状態にあるポップセンス、極めて高度な演奏技術、今にも砕けて粉々になってしまいそうなスリルにあると感じているからです。
 本作はとても質が高い。普通のテクニカル・ロックの中では最高峰にあると思う。私は正直大好きです。
 しかし、腑分けが可能です。収まりが良すぎて、プログレッシヴ・ロックとしてはちょっといただけない。
 私は最盛期のYESの魅力は、楽曲が今にもバラバラに分解しそうな状態で、奇跡的にあり得ないほど完全な姿を保っている刹那的な美しさにあると思う。そして、それがプログレッシヴ・ロックの一つの理想形だったのだと考えます。そういう意味で、本作は昔の自分たちを模写している姿が透けて見えます。
 でも、本作はYESではないのだから良いのです。「ABWH」であり、かなめである「S」が抜けてますから。YESの作品なら80点台ですが、テクニカル・ロック作としてなら90点台の名作だと思います。

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