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Holy Land / ANGRA
うにぶ ★★ (2003-01-30 23:25:00)
ヘヴィ・メタル史上に残る傑作。SEPULTURAの『ROOTS』に並ぶブラジリアンHMの最重要作品と言っていいでしょう。ヘヴィ・メタルという音楽の枠を広げ、未知の領域を切り拓いて新たな可能性を明らかにしたこの作品は、真の意味でプログレッシヴであり、唯一無二のアルバムです。
1stも完成度の高い作品でしたが、このアルバムではその2~3歩先を行っています。クラシック、ブラジリアン・ミュージックとメタルの融合度合いは前作を遥かにしのぎ、前例のない独自のワールド・メタルの創造に成功しています。
どうやったらこんなにセンスよくこういうメロディとリズムを合わせられるのか、何度聴いても不思議でならないのですが、不自然さは微塵も感じず、いつも新鮮な驚きと共にこの深い音楽世界にのめりこんでしまいます。
演奏陣もヴォーカルも、ただテクニカルだったり変わった要素を取り入れているだけでなく、細やかな表現に気を使い、人間的な温もりを曲に加味しているあたりも素晴らしいです。心から愛しいと思える音楽ですね。
「CARRY ON」パート2や、ストレートなクラシカル・スピード・メタルを求めていた人は失望したでしょうが、多様な音楽を楽しめる雑食性の強いリスナーにはお薦めです。
1曲ごとに具体的に魅力を解析などしていると字数がいくらあっても足りないので省きますが、全曲魅力的で、それぞれ異なった個性を持っています。
ただ進み過ぎた彼らについて行けなかったファンが多かったのか、次作以降のANGRAからはこういった大胆な試みは影を潜め、様式メタル方面にちょっと揺り戻った印象があります。
HOLY LANDの路線を受け継いだのは、脱退したアンドレ率いるSHAMANですが、向こうはさらに前進し、また当然ANGRAとは違った音楽をやっていて楽しめます。

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