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Electric Punishment / VICIOUS RUMORS
火薬バカ一代 ★★ (2013-05-21 23:09:19)
前作『RAZORBACK KILLERS』で目覚しい活躍を聴かせた日系三世のギタリスト、キヨシ・モーガンが脱退。後任にVICIOUS RUMORSの一員として来日経験もあるセーン・ラスムッセンが出戻ってレコーディング、'13年に発表された11thアルバム。
パワー漲る楽曲の数々が、バンドの現在の充実っぷりを余すところなく伝えてくれる本作は、スピード・ナンバー2連発に始まり、3曲目にはドスの効いたヘヴィ・チューンを配置した序盤の構成が物語る通り、傑作だった『RAZORBACK~』の作風を順当に受け継ぐ一方、メンバー・チェンジの影響なのかどうか、前作で楽曲のフックとなっていたドラマティックなツインGのハーモニーは減量。またブライアン・アレン(Vo)の歌うメロディも、雄々しさよりも直線的なアグレッションの強調に重きが置かれている印象が無きにしも非ず。併せて、KISS辺りが演りそうな明朗なメタル・アンセム⑥みたいな異色曲を聴くと、奥村裕司氏が解説文で「一体今のVRに何が起きているのか?」と戸惑いを隠せないのも無理からぬことかなぁ、と。
ファンとしては、パンパンにVRらしさが詰まった筋骨隆々な疾走ナンバー②や、劇的なパワー・バラード⑤といった名曲が聴けただけでもう大満足なのですが、でもまぁ、とりあえずVR未体験者には前作『RAZORBACK KILLERS』を先に聴くことをお薦めする次第。

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