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火薬バカ一代 ★★ (2013-05-27 07:08:43)
デビュー作を高く評価してくれた日本のHR/HMファンに対する特別の感謝が捧げられたブックレットを読んだだけで応援したくなる(もう解散してしまいましたが)、ボストンのFORTUNEが'96年に発表した2ndアルバム。
前作はプログレ・ハード風味も飲み込んだ都会派AOR/産業ロック路線の力作でしたが、今回はシンプルな音作りの下、グルーヴィなノリが増強。ラテン・ミュージックの影響が伺えるインスト曲から、果てはレゲエ調の楽曲まで、多彩というか節操なくというか、ともかく様々なタイプの楽曲が盛り込まれた本編を聴くと、90年代という時代と格闘するバンドの試行錯誤する姿が浮かび上がってくるかのようです。
正直、かなり迷いの感じられる作風ではありますが、相変わらず「優れたメロディ・センス」「非凡なアレンジ術」「美しいハーモニー」が作品にビシッと筋を通しているので、散漫さや退屈を感じる場面は少なく、特に1stの作風を最も忠実に受け継いだOPナンバー①、ブルージーな哀愁漂う③、プログレ・ハード風味が一際強く感じられる⑨といった、流麗なKeyが楽曲に強力な引っ掛かりを演出する名曲は素晴しい出来栄え。
デビュー作の完成度には及ばないまでも、これを最後に解散してしまったが惜しまれる内容であることは間違いありません。
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