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Magic / GILLAN
火薬バカ一代 ★★ (2013-07-08 22:19:56)
表向きの理由は「ギランの喉に出来たポリープの治療のため」、実際は「DEEP PURPLE再結成に向けての布石」からGILLANのラスト作となってしまった'82年発表の5thアルバム。
ヤニック・ガーズ(G)が曲作りに本格参戦したこともあって、てっきりヘヴィ・メタリックな作風で攻めて来るものと思ったら、意外や、キャッチーに弾む“LONG GONE”や、哀愁漂う伸びやかなメロハー・チューン“LIVING A LIE”といったこれまでになくポップな楽曲を収録。基本的に本作は、前のめりな豪快さよりも整合性を重視していた前作『DOUBLE TROUBLE』のスタイルをそのまま受け継いでいました。
尤も、「とにかく時間がないのでちゃっちゃと作りました」的な粗さも目立った(トーメのペンによる楽曲も収録されていた)『DOUBLE~』に比べると、しっかりと煮詰められている印象で、何よりOPを飾る疾走ナンバー“WHAT'S THE MATTER”、“蒼き海原”なる邦題もカッコイイ重厚な“BLUESY BLUE SEA”を手始めに、本編に「勢い」が戻ってきている点もポイント。
英国HR然としたドラマティックな曲展開の上に、浮遊感を湛えたギランのVoが乗っかることで摩訶不思議な味わいを生んでいる“DEMON DRIVER”は、このアルバムならではの名曲と言えるのではないでしょうか。
まだまだ多様な可能性を感じさせてくれるアルバムだけに、これが最終作とは残念至極。
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