この曲を聴け! 

The Revolution is Dead! / BLUTMOND
Usher-to-the-ETHER ★★ (2013-07-22 20:46:36)
2013年発表の3rd。

音的には、サックスを用いたジャジーな雰囲気や、インダストリアル要素を含むパートを取り入れた、アヴァンギャルドなブラックメタルで、一部シューゲイザー的な清らかさを感じさせるトレモロがあったり、ワインを傾けながら歌っているかのようなお洒落クリーンがあったり、様々な要素を取り入れて変化に富んだ展開を聴かせる作風。ヘヴィなリフやツーバスにサックスを絡めてくる辺りは、如何にもジャンルを跨いでいるバンドの音という感じで個人的にツボだったり。

その出音からはブラック的な薄暗さや邪悪さは殆ど感じられず、代わりに都会的なアンニュイさ、お洒落さがあって、どこか人を食ったような雰囲気があるのが特徴ですね。ミッドテンポ中心かつヘヴィなリフを用いた音作りは、ブラックというよりヘヴィロックやゴシックを聴いているような感触があり、アーバニズムをテーマにしたブラックの中でもはっきりした輪郭を持った音になっている印象。トリッキーだけど実体的。

ギターワークはメロディアスだし、変に賢しらぶった自己満足な音になっている訳ではなく、ある意味キャッチネスに富んだ仕上がりなので、聴きやすいといえば聴きやすいんですが…何か主義主張を喚き散らすかのような、やたら熱の入ったエモーショナルな絶叫や、ゲスト女性ヴォーカリストのやたらめったら力強いダミ声叫びヴォーカル等もあって、音の灰汁はかなり強い感じがします。

感性の面でブラックを離れているので、割と聴き手を選ぶ音かもしれません。SIGHやTHE MEADS OF ASPHODEL、ANSUR辺りの逸脱系ブラックが好きな方にお勧め。

→同意