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Defloration of Life's Essence / GRIMFAUG
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-07-29 12:57:58)
2007年発表の2nd。
ある程度緩急は付けつつ、基本はブラストビートで疾走をかますリズム構成、サタニックで寒々しいメロディを練り込んだトレモロリフ、擦り込むようなギターノイズが支配する音像…どれも典型的なプリミティブブラックの特徴で、確かに巷で言われている通り、大きい特徴の無い音といえばそうなんですけど(強いて言えば、メロウなベースやギターソロが入りプリブラとしては展開豊富な方である事くらい)、「プリミティブブラックとして」という観点では、かなりクオリティの高いアルバムだと思います。
まずは何気にメロディのセンスが素晴らしいんですよね。ブラックメタルとしての邪悪さやネガティビティはしっかりと演出しつつも、どこか壮大な情景が浮かんでくるようなメロディ。これがトレモロリフに練り込まれ、ギターノイズの奥から幽かに聴こえてくると、今正に悪魔の軍勢が攻めて来ようとしているかのような臨場感を覚えるんですよね。ドスの効いた低音がなりにエフェクトを掛け、地獄の底から響くようにも聴こえるヴォーカルもその情景に凄みを与えているように思います。
プリミティブブラックとしては過不足無く良い出来のアルバムではないでしょうか。普段からプリブラを聴いている人であれば確実に何か感じるものがあると思います。プリブラも様式が出来上がってる感じなので、意外に黎明期の基本アルバムより聴きやすかったりする…のかも。その辺り、ずっとこういう音を聴いてると麻痺するので良く分かりませんが(笑)。
→同意