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Paramore / PARAMORE
iaties ★★★ (2013-08-08 02:55:28)
2013年リリース、約4年ぶりの4th。
女性ボーカルのエモ、ポップパンクバンドです。
この作品は前作が全米2位、全英1位と好調だった中で、メンバー二人が脱退した後初めての新作になりました。
特にギターのジョシュはボーカルのヘイリーと主な作曲を担当していたので、一体どんな作風になるのか心配でした。おまけに前作からかなりブランクがあったのでメンバーが二人も抜けて世間的には終わった存在とみなされていないかも不安でした。
結果からいえば今作は今までの方向とは違う方へ舵を切ったことがはっきりわかる作品です。多分肯定的にも否定的にもとることができる問題作でしょう。アメリカ、イギリスともに初登場一位で注目度は依然として高かったようです。
今までのキャッチーなメロディをもったハードな曲がほぼ姿を消し、全体を通してポップス/オルタナティブ的な色合いが強くなりました。
ポップといってもそれは決して売れ線に走ったとかいう意味ではなくて、バンドとしてのスケールアップという印象が個人的には強いです。売れ線というなら最もキャッチーだった2ndの方があてはまると思います。
一番心配していたパラモアらしいというか、ヘイリーらしい歌メロは健在で楽曲のスタイルが変わっても、クオリティ自体は全く落ちていないところは驚くべポイントだと思います。
ただ問題もあります。アルバム全体に渡って新機軸の曲が登場するのですが、いかんせん大人しめの曲が多くテンションが一定で、ラウドロックとして見ると作品の流れが平坦すぎます。今回ソングライターの片割れが、もう一人のギターのテイラーに変わった影響が大きかったようです。
個人的には今作は作品全体としても個々の楽曲でみても、とてもアーティスティックで聞けば聞くほど深みが増すと感じました。インタールードが三か所に差し込まれてトータル一時間以上と決してリスナーフレンドリーな作品ではありません。
とてもソングライターの片割れが抜けたとは思えないくらい堂々としていて余裕があり、リラックスしているようにすら感じられます。
もちろん今後のことを考えればこの路線のままいかれると正直つらいものもあるんですが、少なくとも今回に限っていえばピンチをチャンスに変えることができた好例だと思います。
→同意