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These Days / BON JOVI
鉄鉢 ★★ (2010-06-05 17:25:00)
彼らの『代表作』と言い切れる3rd「SLIPPERY WHEN WET」~5th「KEEP THE FAITH」辺りは、インパクトと分かり易さを兼ね備えた圧倒的存在感に満ち満ちています。
それに比してその後(95年)に世に出たこの6thは、何と言うか(それまでの作風に慣れ親しんだファンであるほどに感じてしまう)取っ掛かりの取っ付き難さというか・・・あからさまに(BON JOVI にしては)「暗く」「スローで」「地味な」イメージが全編に漂う異色の仕上がりに。
前年にそれまでの集大成的ベスト盤「CROSS ROAD」を出したばかりではありましたが、
①煌びやかな80年代型HM/HRシーンの衰退という時代背景
②「KEEP THE FAITH」発表後のアレック・ジョン・サッチ(B.)の脱退という否応も無いバンド内の変化
という致し方ない状況が、音楽性の変貌というカタチで如実に反映をしたのでしょう。
でも、そんなネガティブな感傷をも逆に旨く抽出して・・・何とも云えない「深さ」と「渋さ」を醸し出す抜群の妙味が滲み出ています。
正に当時のBON JOVIだからこそ持ち得た哀愁感極まるセンス。このタイミングでしか創れない、そんな作風。優しく包み込む様なおおらかさが溢れています。
ホントの意味で「スルメ」盤と言い切れる、長くつき合える類稀なる名作品。

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