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Heritage of Satan / ROOT
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-09-14 11:54:17)
2011年発表の9th。
一部楽曲で元MAYHEMのBlasphemer氏、BEHEMOTHのNergal氏、WATAINのErik氏がゲスト参加。…なんなんだこの私得なメンツは(笑)。そりゃ、バンドの評判とも相俟ってレジに持って行きたくなりますよね(笑)。
ブラックメタルシーンでも古株かつ熱狂的な支持を受けるバンド、しかし現在はある程度ブラックから距離を置いた音を出している…という情報から、期待しつつ不安もあったんですが…これは買って良かったですね。確かに典型的なブラックとは言えない音ですけど、ダークでサタニックなメタルである事に変わりはなく、私的にはかなり好みの作風なんですよね。
楽曲によっては、空気を澱ませるような邪悪なトレモロリフや、暴虐さをダイレクトに伝えるブラストビート等、ブラック的な音も出していますが…基本的には正統なメタルのグルーヴやダイナミズムを持つ、ダークでダーティなヘヴィメタル。音質も変に篭もっていたりせず、楽曲の持つダークなムードを直接的に伝えるようなクリアな音。DISSECTIONの「Reinkaos」やSATYRICONの近作辺りよりも更に普遍的なメタルを目指している感じ。
ただし、そのグルーヴィだったりダイナミックだったりが、妙に明るい方向でなく、邪悪さや暗黒性をより実体的にする方向に作用しているのが素晴らしいです。ヴォーカルもダミ声でがなったり低音でメロディを追ったりしていてブラックっぽくはないですが、叫ばずとも悪魔達を従えるような威厳に満ちていて、これはこれで好き。普通にハイトーンとかだと能天気に聴こえてしまってサタニックなムードが壊れる気がするんですが、こういうクリーンなら歓迎。
普遍的なメタルのかっこよさを感じさせつつも、あくまでサタニックなムードを最重要視したような濃さも感じさせる、かなりの良盤。アルバムの導入が多少長い事を除けば、満足の一枚。ベテランらしい確信に満ちた、黒光りする作品です。
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