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Feast / ANNIHILATOR
火薬バカ一代 ★★★ (2013-09-27 22:49:16)
前作『ANNIHILATOR』でリーガン・マクニールばりのブルータルなご尊顔を披露していたアリス嬢が、今回はとうとうゾンビ化。一体この娘はどこへ行こうとしているのか・・・と、つい余計な心配をしてしまいたくなる(しないか)アートワークが目印の新作アルバム。
頭3曲で完璧に首根っこを押さえられた前作のテンションの高さに比べると、今回はSLAYERを思わせる剃刀スラッシュ①こそ強力な名曲ですが、以降は「らしさ」を維持しつつも、ファンキーに跳ねる楽曲があったり、ロケンロールな楽曲があったりして、(好みの差はありましょうが)個人的には今ひとつ気分がアガりきらず。精密射撃を行う最新式アサルト・ライフルの如きジェフ・ウォーターズのGプレイは、相変わらずエキサイティングなんですが。
しかし叙情バラード⑥を境に、本編後半は雰囲気が一変。構築美を湛えたGソロが激走する⑦、メロウなイントロを引き裂いて加速へと転じる⑧、劇的且つトリッキーな曲展開がブチ込まれた大作⑨・・・と、ジェフがメロディ・メイカーとしての才能もスパークさせた名曲が次々に波状攻撃を仕掛けてきます。
頭3曲ではなくラスト3曲の畳み掛けが圧巻ってのは、まるで前作の裏返しのような構成ですが、何はともあれ終わり良ければ全て良し。
尚、本作の初回盤は代表曲をリ・レコーディングしたベスト盤を同時収録する2枚組仕様。個性は弱い代わりにどの時代の楽曲も無難に歌いこなせる、デイヴ・パッテン(Vo)のフレキシビリティが遺憾なく発揮された仕上がりとなっています。

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