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Error / EMPTINESS
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-10-02 23:11:52)
2012年発表の3rd。

関連バンドのENTHRONEDは真性ブラックな邪悪さと、エクストリームメタルらしい暴虐性を上手く合わせたハイクオリティなブラックを演っていましたが、こちらは更にデスメタルに接近した音ですね。メロディよりもうねり、澱みを重視するかのようなリフ捌き、重低音の地を這うかのようなグロウルなど、ブラック要素よりもデス要素の方が優勢な感じのする作風。

ただ、デスに接近するブラックメタルバンドは数多くいますけど、このバンドの音はその中でも抜きん出て緊張感があって、そして陰湿だと思う。ダークなトーンを奏でたり、神経を焼くようなメロディを奏でるリード、ブラック由来の爛れた邪悪さを表現するトレモロなど、フレーズがいちいち高い暗黒センスを感じさせるんですよね。リフとリズムのどこか粘着質な絡みもあり、時折息をするもの憚られるような重苦しさすら感じます。その雰囲気を保ったまま暴虐ブラストパートに移行したり、本気で殺しに来てる感じの音。

海外のレビューサイトとかを見てると、つまらないメタルを表現するのに「watered down(手ぬるい)」とか「mediocre(凡庸)」といった単語がよく使われますが、そういった言葉とは光年の彼方にあるような邪悪なエナジーに満ちた作品。デス化したブラックの中でも相当に高品質な一品です。ENTHRONEDも相当良かったんですけど、こちらも素晴らしい。歌詞カードが見づらいことだけがネックです(笑)。

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